レクチャー「《洛中洛外図屏風》:17世紀の京のようす」@ARTIZON美術館
来年オープン予定のARTIZON美術館(旧ブリジストン美術館)で、オープン前の特別企画レクチャー「《洛中洛外図屏風》:17世紀の京のようす」に参加してきました。
この洛中洛外図屏風は、改装のための閉館中に手に入れたものの一つだそうで、2006年頃に個人で所蔵していたのが分かって世に出てきたもなのだそうです。右隻には内裏から東寺までの京の東側、左隻には鞍馬から二条城、壬生寺までの西側が描かれてます。右隻には、祇園祭の山鉾巡行が書き込まれていて、鉾や山を一つづつ拡大して解説してくれました。実物は非常に細かく書き込まれているので、学芸員の人達も高精細写真を撮り拡大して研究してるんだそうです。
館内撮影自由だったので、オープン前の館内を色々撮ってみました。
正式開館時にはまた装飾など加わって変わっていると思いますが、開館前の姿という点で貴重かもしれません。
みんなのミュシャ展@Bunkamura The Musium
塩田千春展@森美術館
松方コレクション展@国立西洋美術館
今日は、国立西洋美術館で開催されている松方コレクション展へ行ってきました。
この展覧会は2016年に発見されたモネの「睡蓮、柳の反映」のデジタル修復が見られることで話題になってます。モネ以外にも20世紀初頭の有名どころを大量に購入した松方コレクションの凄さが分かる展覧会でした。こんなのも持ってたのかという驚きが多々ありました。
コレクションの内容も素晴らしいですが、そもそもこの松方幸次郎という人がなぜこんなにすごいコレクションを持つに至ったのかという背景が分かって面白かったです。川崎造船所社長として第一次世界大戦で輸送船の需要が増えるというのを見越してロンドンをベースに売り込みを図り財を成したというのは、期を見るに敏であったということで、経営者としての際があったということだと思います。そして、その財を元に西洋美術の本物を収集し日本に持ち込んで、日本美術の向上に寄与するべく、美術館を作るという構想を持っていたとのことです。そういう志を成功者が持って実行していたのは素晴らしいことだと思いました。とはいえ、海軍からドイツの潜水艦の設計図の入手を頼まれていたという話もあり、絵画購入が実はそういう目的の隠れ蓑だったのではという観測もあるようで、まぁ、さもありなんという気もします。その後、戦争が終わり需要激減で川崎造船所は経営破綻に至り、松方コレクションも散逸してしまったのは残念な出来事でした。欧州に残った松方コレクションは、ロンドンの倉庫の火災や第二次大戦後フランスで敵国資産として接収されたりと受難の歴史を経ました。その後フランスから返還されたというのも凄い話ですが、フランスが幾つか手放さなかった(返還しなかった)絵もあるのですね。西洋美術館建設はフランスからの松方コレクションの返還の条件の一つでもあったとのことです。
Meet the Collection展@横浜美術館
今日は横浜へ出かける用があったので、ついでに横浜美術館のMeet the Collection展を見てきました。
横浜美術館は前から企画展の時に一緒に見ることが出来る常設展のクオリティの高さを感じていたので、今回も期待してました。
有名どころだと、セザンヌ、マグリット、マン・レイ、サルバドール・ダリ、ピカソ、リキテンスタイン、カンディンスキー、奈良美智、等々、あります。個人的には日本画の鏑木清方の絵が充実しているのが気に入ってます。他にも下村観山を集中的に収集しているようです。(今回はあまり展示されてませんでしたが。)
今回は、収蔵品の他に、数名のアーティストのインスタレーション等も交えて展示しており、中々見ごたえがある展示会になっていると思います。
マックス・エルンストの「少女が見た湖の夢」は、まるでDeep Dream Generatorの絵のようでした。
ウィーン・モダン展@国立新美術館
今日は令和最初の美術展ということで、国立新美術館で行われているウィーン・モダン展へ行ってきました。
「クリムト、シーレ、世紀末への道」という副題から、ウィーン分離派の展覧会だと思ってましたが、それは、ごく一部で、むしろ、ウィーンで花開いた19世紀末周辺の絵画、家具など工芸デザイン、建築と様々な角度からモダニズムへの活動を紹介するものでした。実に興味深く、幸い今日は空いていたので、じっくりと見て回ることができました。
知らなかったのですが、19世紀後半にウィーンは、城壁を取り払い、いわゆる環状道路を作って、都市の大改造をしているのですね。この元城壁だったところにできた「リンク通り」による交通革命でウィーンは市域が拡大し発展を遂げたようです。時の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の英断と言えるのでしょう。