Teatown’s blog - Art Room

アートと建築関連のつぶやき

みんなのミュシャ展@Bunkamura The Musium

今日はもうひとつ、渋谷のBunkamura The Museumで行われている「みんなのミュシャ展」へ行ってきました。
 
 
ミュシャと言えばこの間壮大な「スラブ叙事詩」の連作を見たなぁと思いましたが、調べてみると、2年前のことでした。月日の経つのは早いなぁ。
 
この展覧会は、スラブ系はほぼなしで、有名なGismondaのポスターから、欧米プログレ/ロックバンドのジャケットやMARVELのアニメや、日本の少女漫画やファイナルファンタジーへと、ミュシャの様式が変遷を経て進化する様を見ることになります。ミュシャは、ベルエポックのパリでアール・ヌーボーの最先端として有名になっていくわけですが、そこには、当時の日本の美術がしっかりと影響を与えているわけです。いうなれば、江戸時代の日本の美術の様式が、ミュシャを経て欧米で咀嚼・昇華され、また、日本へ戻ってきてさらに進化を迎えるという、スパイラルな循環を見て取れますね。
 
サラ・ベルナール(Sarah Bernhardt)を描いたGismondaのポスターは、クリスマスシーズンで描いてくれる画家がいない中でミュシャに話が回ってきたという幸運があったようですね。これで、CP/MMS-DOSの話を思い出しました。(*1)
 
ミュシャが確立した円環の中に女性を描いて髪の毛などが空間を舞い円環からはみ出るような構図は、ミュシャ様式と言われているようですが、Q様式とも言われているようです。
 
ミュシャに始まった様式が世界中を渡り歩き変遷を経て現代アートやアニメの世界に大きな影響を与えているのは、今回の展示会で初めて認識しました。普段何気なく見ているものも、こういうミュシャ様式を感じ取るように見ると面白いですね。
 
*1 IBMがPCのOSの作成の依頼をCP/Mを作っていた会社にしたが、社長が不在(バケーション)でIBMからの依頼に答えられない中、ビルゲイツがいち早く対応して、IBMMS-DOSを採用したことで、今のMS帝国があるという話。当時はそう聞いていたけど、そこまで簡単な経緯ではなかったようですが。